檜枝岐の登山

尾瀬国立公園には東北以北の最高峰である燧ケ岳をはじめ、至仏山、会津駒ヶ岳や平ヶ岳と深田久弥の日本百名山に選ばれた山並みや名山が点在しています。
見事な眺望、名瀑、そして希少な高山植物…。
たくさんの感動が皆さまを待っています。

燧ケ岳 東北一の高さを誇り、日本百名山で二等三角点を持つ山。
檜枝岐村からの登山は、燧ケ岳を楽しむ上で最高のロケーションです。
登山口は柴安嵓(2,356m)、俎板嵓(2,346m)、赤ナグレ岳(2,249m)、ミノブチ岳(2,234m)、御池岳の何れかの登山口から 燧ケ岳山頂を目指します。御池と尾瀬沼から登ると俎板嵓に、尾瀬ヶ原から登ると柴安嵓へ最初に登ることになります。

檜枝岐村からアクセスできる登山口は、御池、尾瀬沼長英新道、沼尻、見晴新道の4ヶ所です。見晴新道はまだ新しいルートで、登山道として、不完全な箇所もありますので、細心の注意を払い登山してください。

ライブカメラ

ロケーション:尾瀬沼ヒュッテ
撮影日時: 2023/08/01 17:00

登山コースのご案内

御池コース (上り4時間 下り3時間) 御池の駐車場から山道に入りすぐに、尾瀬ヶ原方面と登山道の分岐があり、ここを左に道を進み山頂を目指します。
木道をしばらく進むと、急な登りとなり1時間30分程で広沢田代のきれいな池塘が見られ、さらに1時間程で視界が開け熊沢田代へ到着します。
熊沢田代からは少し直登し斜面を左へ横断するような形で沢をいくつも越え、最後は水の無い沢の中を200メートル程直登し左に折れます。その先のガレ場は十分な注意が必要です。
ガレ場を越えるとハイマツ地帯が現れ1時間30分程で俎板嵓山頂に到着します。
見晴新道コース
(上り4時間 下り2時間30分)
尾瀬ヶ原見晴十字路から尾瀬沼へ道を取り、しばらく行くと分岐に出るのでこれを左にとって山頂を目指します。
一時、水害により登山道が閉鎖されておりましたが、迂回路により現在は通行可能です。ただし悪天候時は悪路になりますので、通行には十分注意してください。
柴安嵓(しばやすぐら)
~俎板嵓(まないたぐら)
(上り20分 下り20分)
燧ケ岳は2等三角点を持つ山で、三角点は俎板嵓(マナイタグラ)にあり、標高は柴安嵓(シバヤスグラ)の方が10メートル高いです。御池と尾瀬沼から登った場合は柴安嵓まで登らないと最高点到達にはなりません。

ナデッ窪登山道
(上り3時間 下り2時間)
尾瀬沼北西岸の沼尻よりほとんど直登で頂上を目指します。
湿原の木道を抜け針葉樹の中をしばらく行くと傾斜が急になり石の多い道となります。
高度を稼ぎながら登ってゆくと長英新道と合わさり、御池岳の山腹を絡むように行くと俎板嵓との鞍部に出ます。
ここから岩礫の道を登って俎板嵓頂上に出る、登り向きのコースです 。

長英新道コース
(上り3時間45分 下り2時間45分)
大江湿原から尾瀬沼東岸をしばらく行くと分岐があり、これを右にとって緩やかな樹林帯の中をひたすら進む。 だんだん急な登りとなりミノブチ岳頂上に着きます。 頂上から眼下に見下ろす尾瀬沼の展望は見事なものです。 ナデッ窪コースと合わさって俎板嵓頂上に出ます。下り向きのコース。

会津駒ケ岳 尾瀬の北方にそびえる標高2,133メートルの会津駒ケ岳は、会津を代表する名山として知られ、深田久弥の「日本百名山」にも選ばれた名峰です。たおやかな稜線の山頂付近一帯と中門岳までは広大な湿原が広がり、数々の地溏がちりばめられています。中心的存在の駒ノ大池の周辺はハクサンコザクラをはじめとした高山植物の宝庫であり、可憐な花たちの群落が会津駒ケ岳の大きな魅力となっています。山頂には一等三角点が置かれ、尾瀬の山々はもとより、南会津、日光、奥利根と素晴らしい展望が広がります。

登山コースのご案内

滝沢~駒の小屋~山頂
(上り4時間 下り3時間)
国道から林道を2キロほど登ると木製の階段があります。この階段から山道となります。2時間ほど登ると水場となり1、2分下ったところの岩の間からきれいな清水が湧き出しています。ここから1時間程で湿原状となり駒の小屋と山頂が望めます。30分ほどで小屋すぐ手前の分岐に着きます。ここは大きな地溏があり、休憩用の椅子とテーブルもあります。ここで荷物を置くと15分ほどで山頂に着きます。山頂からは眺望が利き、越後三山、平ヶ岳、尾瀬の山々、帝釈山、田代山等が望めます。
山頂~中門岳(上り50分 下り50分) 中門岳は平坦な尾根状で地溏や湿原が続き、心を癒してくれる場所です。尾根の突端まで木道が整備され、奥只見湖や浅草岳、三岩山などが望めます。突端まで行って戻る途中で至仏山、尾瀬ヶ原、燧ケ岳が一緒に望める地点があります。
駒の小屋~大津岐峠
(上り2時間 下り1時間30分)
駒の小屋の前を少し下るとすぐに細い尾根に出ますが、この尾根は前半に南東側が切り立た非常に険しい尾根が続くので慎重な歩行が必要です。道幅が狭い箇所がありますので十分注意してください。後半は湿原が点在し比較的歩きやすいコースです。このコースは富士見林道とも呼ばれ、眺望がよく燧ケ岳を正面に見ながら歩きます。
キリンテ~大津岐峠
(上り3時間 下り2時間30分)
その昔、檜枝岐の人が大津岐地区の開墾を行なったころに通った道で、荷物を背負うことを想定して作られた道のため平均した斜度に整備されています。登りきった稜線に大きな標識があります。峠から大津岐に下る道は廃道になっています。深田久弥は会津駒ケ岳を登った翌日この峠を越えて新潟県に向かいました。
御池~大杉岳~大津岐峠
(上り4時間 下り4時間)
御池ロッジの前の国道352号を新潟方面に10分ほど行くと右手に登山口があります。最初は急登ですが、1時間30分ほどで樹林帯の中で展望の全く利かない大杉岳山頂に着きます。ここから尾根の左右を通り七入からの合流点の鉄塔脇を通り、さらに尾根道を大津岐峠へ向かいます。
帝釈山・田代山 オサバ草の群生地として知られる帝釈山は身近な登山ルートが無く、幻の名山と呼ばれてきましたが、山裾を通る檜枝岐からの林道が整備され、一躍気楽に登れる2,000mの山となりました。
田代山は頂上一帯が広大な湿原になっており、その湿原を一周できるように木道が整備されています。タテヤマリンドウやニッコウキスゲなどの高山植物の多くが見られ、弘法沼と呼ばれる池塘もあって明るく開放的な山で、秋の草紅葉も見事です。

登山コースのご案内

帝釈山(上り50分 下り30分) 檜枝岐の部落から村道舟岐線を2キロほど行くと、1車線砂利道の林道となります。幅員が狭く急カーブが多いため幅2m全長7m以下の車両しか通行できないので注意してください。曲がりくねった道を車で40分程行くと栃木との県境馬坂峠に着きます。峠から500m程日光市側に下ると帝釈山の山頂が望めます。
峠は20台程度駐車が可能なので車を降りて、直ぐ前の標識に沿って上り始めます。 シーズンにはすぐにオサバ草の大群落に出会い、少し急な山道を右に左に折れながら登ります。このルートは木道や階段が整備され歩きやすくなっています。50分ほど登ると突然帝釈山山頂に出ます。山頂はあまり広くはありませんが、天気がよければ会津駒ケ岳、その後ろに連なる上越の山々、燧ケ岳、白根山を初めとする日光連山、那須の山々と展望できます。 1時間以内で2,000m級の山頂に立てるところはなかなかありません。
帝釈山~田代山湿原分岐
(上り1時間 下り1時間10分)
田代山へは山頂から東の方へ、大きな岩があって歩きにくい登山道を下って行きます。しばらく下ると平坦となり、山腹を巻いてる場所に出るとここでも季節によりオサバ草の群落が見られます。巻道が終わると鞍部に出て、ここから15分程直登すると避難小屋のところに出ます。ここにはトイレもあり木道が敷設され、少し歩くと山頂の湿原に出ます。湿原には季節により尾瀬にあるような高山植物が観られます。 田代山の湿原は反時計回りに歩く一方通行の木道となっています。一周を約40分で歩くことができます。途中には南会津町猿倉登山口と木賊登山口との分岐があります。
台倉高山 台倉高山への登山道が復活しました。大正から昭和にかけては盛んに登られた時期もありましたが、近年は一部の人を除いて登られることがありませんでした。平成8年に林道川俣・檜枝岐線が開通し、馬坂峠まで車で入れるようになったことが、登山道復活の大きな要因となりました。
オサバ草、タテヤマリンドウの群生地として知られており「燧ヶ岳」「会津駒ヶ岳」など360°の大パノラマが楽しめます。

登山コースのご案内

馬坂峠から台倉高山
(上り2時間 下り1時間40分)
檜枝岐の部落から村道舟岐線を2キロほど行くと、1車線砂利道の林道となります。曲がりくねった道を車で40分程行くと栃木県との県境馬坂峠に着きます。峠の駐車場には20台程駐車スペースがあります。それと20台程駐車可能な路肩スペースもありますのでそちらをご利用ください。村から来ると駐車場の右側に台倉高山、左側に帝釈山の登山口があります。 登りだして20分ほどで小さな沢を渡りますが、足元が悪くなっているので注意が必要です。更に40分ほどはこのコース一番の急登が続き尾根上部に出ます。すぐに三段に連なる田代がありきれいな風景が眺められます。田代にはタテヤマリンドウが多く咲いています。
ここから緩やかなアップダウンを繰り返し、小ピークを巻いて頂上直下の小さな田代に出ます。 15分ほど直登して広さ20畳ほどの頂上に着きます。
至仏山 尾瀬ヶ原西方にそびえ、頂上からは雄大な展望を見ることができます。ホソバヒナウスユキソウをはじめとする高山植物の宝庫としても知られています。
この山は火山によってではなく、地面が隆起して形成された岩石の山で、山体上部が蛇紋岩という滑りやすい岩のため注意が必要です。近隣の山より森林限界が低いのも特徴の一つ。夏の日差しにはご注意を。
登山について 至仏山は表土が流失しやすく、登山道の巾が徐々に拡大し貴重な高山植物の生育に影響が広がり、一時登山道が閉鎖されました。その間、地元や東京電力等によって登山道が再整備されましたが、春先は残雪により何処でも登山道となってしまい、植物への影響を配慮して登山禁止期間が設けられています。

蛇紋岩 燧ケ岳が火山の噴火によってできた山なのに対し、至仏山は岩石が隆起してできた山です。蛇紋岩はずしりと重い黒っぽい色の岩で、滑りやすいのが特徴です。小至仏の下の花畑あたりから至仏山山頂付近一体は、この蛇紋岩の岩場が露になっています。雨の日などは特に滑りやすいので、注意してください。

登山コースのご案内

見晴十字路~至仏山(上り5時間) 見晴十字路から尾瀬ヶ原を東西に横断し山ノ鼻に向かいます。この間は約2時間で、木道が複線で整備されとても歩きやすい道が続きます。 山ノ鼻からは登り専用ルートで至仏山へ約3時間です。途中の蛇紋岩地帯は非常に滑りやすいので注意が必要です。そのことから登り専用となりました。山頂からは360°の眺望が利き、平ヶ岳や景鶴山がすぐ近くに見え、会津駒ヶ岳、谷川連峰、日光連山などが望めます。

至仏山~鳩侍峠(上り3時間 下り2時間40分) 樹林屋根を緩やかに登っていくとオヤマ沢田代に着きます。ここら辺から尾瀬ヶ原や燧ヶ岳が良く見えます。さらに小至仏山を経て山頂を目指します。山頂から360°の眺望が利き、平ヶ岳や燧ケ岳・会津駒ヶ岳などの百名山の他、谷川連峰や日光連山などを望めることができます。
平ヶ岳 深田久弥は、“しばらくはこのきれいな山頂はそっとして置かれるであろう”と言っておられましたが、近年ポピュラーな山の仲間入りをしてきました。とは言っても、まだまだアクセスは大変な山です。 それだけに、手前の池ヶ岳から眺める雄大な眺めは平ヶ岳そのものです。所在地は新潟県魚沼市ですが、 檜枝岐村より登山口へは車で40分程で行くことができます。

平ヶ岳のピークはなだらかな草原状で三角点の石が無ければ何処がピークかわからないような状況で、そこからは燧ケ岳、景鶴山、至仏山などの尾瀬の山々が見えます。むしろ手前の池の岳からの方が眺望が利きます。鷹ノ巣側から池の岳に登りついて平坦になったところで分岐に出ます、左に取ると平ヶ岳山頂で、右に取り少し行くと又分岐に出ます、この分岐を左に下って行くと沢が流れ板を敷いた2張りほどのキャンプサイトがあります。

登山コースのご案内

鷹ノ巣~平ヶ岳
(上り6時間30分 下り4時間30分)
国道352号を檜枝岐から小出方面に進み、只見川にかかる金泉橋を渡ると新潟県で、まもなく左側に15台程駐車出来る舗装された駐車場があり、平ヶ岳登山道の立て看板が立っています。 ここから林道を少し歩き尾根に取り付きます。高木の少ない潅木の中砂礫混じりのヤセ尾根を登り下台倉山に着きます。この登りはかなりきつく、2時間ほどかかりますが、先が長いのでゆっくり登り体力を温存してください。ここから台倉山までは右は樹林、左は開けた尾根上を行くことになります。台倉山からは道は一変し池の岳直下までは所々にぬかるみのある樹林の道ですが、最近は魚沼市で木道等の整備進み大変歩きやすくなっています。水場が最初に右側に台倉清水、次に左側に白沢清水の2箇所があります。白沢清水から少し行くと登りとなり、最後に急な斜面を登って樹林を抜け出ると湿原が広がり、まもなく姫の池に出ます。ここで道は分岐しており右は卵石へ、左は山頂へと続き、少し行くとテント設営地からの道と合わさります。山頂への登りは雨水によりえぐられ1メートルほどの溝になっています。すぐに湿原になり木道から右に外れた所にピークがあります。

クマに注意 登山で注意したいのが“熊対策”。ツキノワグマが生息しており、近年では開発に伴って生息域が狭まったことなどから、尾瀬一帯での生息数は増加している可能性があります。下記の内容を十分に把握し、熊除けの鈴などの熊対策グッズを必ず身に付けてください。

①熊も基本的には人間を避けます。話をしたり、手をたたいたりして物音を立てながら、自分の存在を熊に知らせて行動しましょう。仔熊のそばには必ず母親がいるので、決して近づかないようにしましょう。 ②万が一熊に遭遇した場合の対処はとにかく走らないで熊を興奮させないことが大切。ある程度距離があれば、目立つ所に立って大きく腕を振りながら、穏やかに声をかけて人が居ることを知らせましょう。